2013年度のコレクション展Ⅱとなる本展では、『ようこそコレクション展へ 「アートに生きた画家たち」―日本画に観る〈雪・月・花〉／洋画に観る〈人〉―』と題し、日本画と洋画を約50点、開館以来初の出品となる作品も交えご紹介いたします。

日本画は、前田青邨・小倉遊亀・山本丘人の他、東山魁夷・髙山辰雄・奥田元宋・加山又造など戦前・戦後の日本画壇を牽引し、伝統と革新に挑みつづけた日本画家たちの作品から、自然の一瞬の気配の中に見出した美を、多彩な表現・技法をもって、丹念に磨き上げることで昇華させた、静謐でありながらも抒情豊かな「雪・月・花」の世界へとご案内いたします。

そして洋画は「人」に焦点をあて、国内外の画家の作品を展観いたします。藤島武二や小磯良平、中山忠彦の卓越した描写による、気品と清らかさを感じる女性像。東郷青児の独特の曲線と色調で表現された、洗練された形態による官能的魅力をもつ女性像。ルノワール、ローランサン、シャガールが、その深い情愛を込めて描いた女性像。そして、人間と自然の関わりを、生涯を懸けて向き合い、描き続けることで、人間の本質を掴み取ろうとした網谷義郎の人物表現。造形芸術としての絵画表現に生きた画家たちが、追い求めつづけた人間の生、揺るぎない人間愛からの造形表現をご覧いただきます。

本展において、画家たちの眼差しのなかに込められた、強く気高い魂への敬愛と人間讃歌を、作品をとおして感じていただければ幸いです。