2011年秋季企画展 ― 無垢の画家 石井一男 ―
石井一男さんは、1943年に神戸の新開地で生まれる。関西大学法学部の二部に入学し、美術部で油彩に取り組むが、馴染めずに離れる。高校卒業後に勤めて いた神戸市役所も辞め、皿洗いや新聞を駅に運ぶアルバイトなど黙っていても出来る仕事を選び生計を立てていた。そして、再び絵筆をとったのは40代半ば で、体調を崩し死を意識した頃だった。
石井さんは、画家になりたいとか、作品を発表したいと思ったのではない。
ただ、素直に絵を描きたい。生きる証としての絵を無心に描きたい。
石井さんは、真摯に筆をとり、画面と対峙しながら浮かびあがってくる像(フォルム)を待つ。時に人物の顔が、時に静物や鳥が、画面の中から現れてくる。その人物の顔を、ある人は「女神の像」と名付けた。目を閉じた表情は、静謐で気高い。
石井さんはモチーフを決めず、ただひたすらに塗るという独自の作画行為をとおして、内側から像が現れてくるという出会いを待つ。
近年、ノンフィクション作家の後藤正治さんが、『奇蹟の画家』と題して、石井一男さんを紹介されたことで、多くの反響を呼びました。また、テレビ番組でも取り上げられ、多くの方が、石井さんの存在、石井さんの絵を知るところとなりました。
本展は、心から湧きあがる女神像などを描き続けている石井一男さんの作品を展示することで、私たち一人ひとりが、生きることの意味を見つめなおし、ま た、石井さんが画面と向き合い、浮かびあがる像をひたすら待つ時間を、作品をとおして共有していただく機会になれば幸いです。
会期 | 2011/09/06(火) ~ 2011/10/30(日) |
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入館料 | 一般300(240)円/高・大学生200(160)円/小・中学生100(80)円 (65歳以上の方・障がいのある方とその付添いの方1名は半額 ※( )内は20名以上の団体料金) |
開催者 | 主催:BBプラザ美術館 協力:ギャラリー島田 後援:朝日新聞神戸総局、神戸新聞社、産経新聞神戸総局、日本経済新聞社神戸支社、毎日新聞社、読売新聞神戸総局、サンテレビジョン、ラジオ関西、講談社 |
関連プログラム・ イベント |
後藤正治講演会 「『無垢の画家 石井一男』展に寄せて」 10月1日(土)15:00~16:00 BBプラザ4F/シマブンホールにて(要観覧券) |