甲南学園ゆかりの作家たち 長谷川三郎と菅井汲 抽象への眼差し
このたびBBプラザ美術館では、困難な時代に洋の東西の調和を生涯かけて追究しつづけた二人の画家、長谷川三郎と菅井汲の足跡を回顧する展覧会「甲南学園ゆかりの作家たち 長谷川三郎と菅井汲 抽象への眼差し」を開催いたします。
長谷川三郎(1906-1957)は下関に生まれ、芦屋に転居後の13歳の頃より絵を描き始めました。18歳より大阪信濃橋洋画研究所に通い、小出楢重に師事。二科展や自らが中心となり立ち上げた「新時代洋画展」(1934年創立)、「自由美術家協会」(1937年創立)の展覧会を中心に、抽象絵画やコラージュ、写真など、新しい感覚に溢れた作品を発表するとともに、豊かな知性と明確な信念をもって美術評論や展評を行い、戦後の前衛美術を牽引する存在となりました。また、晩年は渡米して、拓本や墨による実作と東洋と西洋の美意識を統合しようとする独自の美学を通じて、画家としてのみならず、評論家、思想家としてアメリカの美術界にも少なからず影響を与えました。
一方、菅井汲(1919-1996)は神戸に生まれ、大阪美術学校で学んだ後、阪急電鉄広告宣伝課で商業デザインを担当する傍ら、画家として創作活動を行いました。1952年に渡仏した後は、重厚なマチエールと単純化された士俗的なフォルムによる抽象絵画や版画を制作。フランス国内のみならず、数々の国際展で高い評価を得ます。1967年に自動車事故により頚部骨折の重傷を負ってからは、それまでの有機的なフォルムによる抽象表現から、無機的で記号的な図像と明快な色彩による構成へと移行しました。
今年は長谷川三郎が生誕110年、菅井汲が没後20年を迎えることに因んで、本展では、長谷川の母校である学校法人甲南学園が所蔵する油彩、水彩、拓本作品と、菅井が同学園の依頼により制作したロゴマークや緞帳の関連資料などを中心に展観いたします。
会期 | 2016/04/05(火) ~ 2016/06/05(日) |
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開場時間・休館日 | 午前10時 ~ 午後6時(入館は午後5時30分まで) *4月5日のみ午前11時~開館 |
入館料 | 一般 400(320)円 大学生以下無料 65歳以上の方半額 ※()は20名以上の団体料金 |
開催者 | 主催:BBプラザ美術館・株式会社シマブンコーポレーション 協力:学校法人甲南学園 後援:神戸市・神戸市教育委員会・朝日新聞神戸総局・神戸新聞社・産経新聞社・日本経済新聞社神戸支社・毎日新聞神戸支局・読売新聞神戸総局・サンテレビジョン・ラジオ関西 |
関連プログラム・ イベント |
記念講演会「阪神間モダニズムが生んだ画家 長谷川三郎と菅井汲」 講師:河﨑晃一氏(甲南女子大学教授) 日時:2016年4月24日(日)午後2時~4時 場所:シマブンホール(BBプラザ4F) 定員:100名(先着順) 聴講無料 |