作品名 |
ネレイデス(三人のセイレン) Néréides |
作家名 |
オーギュスト・ロダン Auguste Rodin |
生没年 |
1840‐1917 |
制作年 |
1888年以前 |
技法・材質 |
ブロンズ |
寸法 |
45×40×30 |
解説 |
パリ生まれのロダンは、彫刻家を志してエコール・デ・ボザール(国立美術学校)の受験に3度挑戦するが失敗。1863年、カリエ=ベルーズの助手となり、建築装飾や小彫刻を手掛けながら、自身の制作に取り組む。1875年にイタリアで見たミケランジェロの作品に衝撃を受け、1877年、パリのサロンに<青銅時代>を出品するが、直接人体から型を取ったのではないかと激しく非難される。しかし、この誤解は解け、1880年に作品は国家買い上げとなり、また、国からは装飾美術館の門扉制作を依頼され、十代の頃に愛読したダンテの『神曲』をテーマに<地獄の門>の制作に取り掛かる。完璧主義者であったロダンは、3年の期限で依頼されたこの仕事に生涯を捧げ、亡くなるまで制作を続けた。 ロダンはアトリエでモデルを自由に歩かせ、その自然な動きの観察から着想を得て制作に反映させていた。伝統的な形式から離れ、激しさや猛々しさを伴う劇的で力強い表現や、官能的で静謐さも漂わせる深い情感をも表現するロダンの様式は、さまざまな論争を招きながらも近代彫刻の礎を切り拓いた。 セイレンとは、ギリシア神話に登場する女の顔と鳥の身体をもつ海の精で、美しい歌声で舟人を魅惑し、遭難させたといわれる。 |
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