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人間をデッサンしつづけた網谷義郎

 

 このたび、神戸ゆかりの画家・網谷義郎の没後30年を記念して、生涯を通して「人間」を描きつづけた彼の画業を紹介いたします。
 網谷義郎は、1923(大正12)年、神戸に生まれ、旧制姫路高等学校時代には学徒出陣し、復員後、京都大学法学部に進学します。在学中に洋画家・小磯良平と出会い、アトリエを頻繁に訪ねるようになり、多くの啓示を受けます。
  大学卒業後は大阪の商社に入社し、出勤前と帰途に中之島公園などで風景画を描く生活を送りますが、次第に仕事との両立が難しくなり、27歳で画業専一を志し退社を決めます。退社したその年(1950年)、第14回新制作派協会展に<風景D>を出品。第19回展では<立つ>で新作家賞を、第23回展では<四人>で新制作協会賞を受賞します。また、57年には第1回安井賞新人候補展に出品し、以後7回出品しています。
 風景画から出発した網谷は、1950〜60年代には、デフォルメされた独特の人物が色彩とともに鮮烈に力を放つ作品を制作し、油彩だけでなく水彩や墨でもその表現を追究します。人間の存在の真の部分を探るように人物の造形形態を極限まで削ぎ落とし、色彩を自制した表現は、油彩だけでなく水彩や墨でも追究されています。70年代頃から、人物の形態は次第に人間の見たままの姿を超越し、色彩も淡い色調となりますが、そこには人間存在の意義を具現化するという網谷の明確な意志が窺えます。
 画廊での個展を精力的に開催する一方で、自らの意志でカトリックの洗礼を受けた網谷は、国内外で奉仕活動に力を入れる傍ら、聖書に主題をとった作品も描いていましたが、残念なことに1982年、画業半ばの58歳という年齢で亡くなります。
 本展覧会では、1960年代〜70年代に描かれた油彩や水彩、叙情性に富む墨の作品、そして、商社勤務時代に中之島の風景を描いた貴重な作品も展示し、人間という存在から生と死を見据え、「人」を描きつづけたこの画家の足跡を探ります。
 探究心と温かさを交えた網谷の人間デッサンをご覧いただくとともに、本展が、私たちにとって人間性の回復を考える機会となれば幸いです。

■ 会期

2012年 1月 7日(土)〜 2012年 3月18日(日)

■ 開館時間

午前10時〜午後6時(入館は5時30分まで)

■ 休館日

毎週月曜日 *但し1月9日(月)開館、1月10日(火)休館

■ 出品作品

作品

上段左より:  「中之島」1948年   「最後の晩餐」1960年   「人物」1963-64年
           「人がいる」1966年   「天使」1968年頃   「飲む」1969年
           「荷を肩に乗せた男」1973年   「青い上衣の女」1975年

■ 入館料

一般300(240)円/高・大学生200(160)円/小・中学生100(80)円

(65歳以上の方・障がいのある方とその付添いの方1名は半額 ※( )内は20名以上の団体料金)

■ 主催

BBプラザ美術館、株式会社シマブンコーポレーション

■ 協力

株式会社ギャラリープチフォルム

■ 後援

朝日新聞神戸総局、神戸新聞社、産経新聞神戸総局、日本経済新聞社神戸支社、読売新聞神戸総局、毎日新聞社、サンテレビジョン、株式会社ラジオ関西